巷でプチ整形という言葉が流行っています。
もともと何度も書いたように整形という言葉は間違っていますし(用語的に)、この言葉の定義もはっきりしません。
一般にはメスを用いないで出来る美容外科の手術(処置)で、一定の期間限定で戻ってくるものを指すようです。
この範疇に入るのは埋没法の二重手術、ヒアルロン酸を使用した隆鼻術、コラーゲンなどを使用したしわ取り、BOTOXを使用したしわ取り、光治療(フォトフェイシャルなど)でのシミ取りなどが代表的なものでしょうか。
一つ一つ検証してみましょう。
1.埋没法二重(重瞼術)
重瞼術は大きくは切開法と埋没法の二つに分類できます。
その中で埋没法は比較的簡単な方法で二重のラインを再現出来る方法として多用されています。正確には全く傷をつけない訳ではなく糸を通すためのごく小さな切開をします。もちろん、注射の針穴程度ですので、すぐに見えなくなってしまいます。この穴も瞼の皮膚側から開ける場合と裏側から開ける場合とがあります。この穴から細いナイロンの糸を通し、皮膚と瞼板(または前組織や挙筋付着部)という組織を縫いつけ癒着を作ることによって二重を再現します。切開法と異なる点は糸の張力だけに頼っていることで糸が切れたり緩んだりすれば二重のラインが薄くなったり消えてしまったりする事があります。切開法の場合は皮膚と癒着をさせる部分との間の余分な組織も切除可能であり、組織の癒着も強固に出来ますので取れることは少ないという訳です。
取れやすいという欠点を除くと埋没法にはたくさんの利点があります。その一つは取れやすいという欠点の裏返しですが、取ることが可能ということです。と言うことはラインを変えたい場合にもこのことが効いてきます。もちろん長年取れなかった埋没法の場合は組織間の癒着ができあがってしまっている場合があり、このようなケースでは糸を取ってもラインが消えない場合もあります。
もう一つは手術時間が数分であり、メスを使わないということで気軽にできることでしょう。毎朝時間をかけてアイプチなどで二重を作っている方やアイプチで炎症をおこしてしまっている方などには気軽で良いかも知れません。
瞼は外見上もっとも目立つ場所ですし、少しの変化でも印象の変わる部分です。二重にすることで表情がかなり変化します。逆に言えば「わからないような二重」というご希望がもっとも難しいと言うことになります。埋没法であれ切開法であれ手術にはかわりありません。手術をすれば一定の腫れや痛みは伴います。私たちはそのようなデメリットを極力減らそうと努力はしておりますが、全く腫れない、全く痛くない、当日から誰が見ても自然などということは常識的に考えてもあり得ないことだと思います。
2.ヒアルロン酸による隆鼻術
隆鼻術は本来シリコンのプロテーゼや自己軟骨を用いるのが一般的ですが、ヒアルロン酸を注入するだけでも一定期間の隆鼻は可能です。
たとえば生理食塩水を注射しても隆鼻は可能ですが、1日程度で吸収されてしまいます。シリコンの場合は一生涯吸収されませんが、ヒアルロン酸は半年程度の間組織間で体積を保ちます。
本来隆鼻の正統派ではありませんが、一定期間鼻筋を通したい、将来シリコンプロテーゼをしたいが、そのテスト的な使い方に徹すれば良い方法だと思います。この方法は注射器でヒアルロン酸を注入するだけですので、当然メスは使いませんし、痛みも注射の痛みだけです。腫れもほとんどありません(と言っても注射部分は腫れるように入れている)。手術は怖いが多少でも鼻筋を通してシャープな感じをお望みの場合は良い適応でしょう。
ただ、鼻尖部(鼻のてっぺん)を高くするのは難しくむしろ鼻根部(目と目の間)を高くするのに有用です。
3.コラーゲン、ヒアルロン酸、BOTOXを用いたしわ取り
しわというのは本来皮膚の弾力性がなくなり(コラーゲンの減少や配列の乱れ)、皮膚にミゾが出来る現象です。これを治療するには手術で引っ張って(フェイスリフト)しわを伸ばした状態にする必要があります。これを注射のみで解決できるはずもありません。しかし、現象としてのミゾを浅くすれば目立たなくなるという考えで行うのがコラーゲンやヒアルロン酸の注射です。これらの注射は本来のコラーゲンやヒアルロン酸の働きをしてしわを伸ばす訳ではなく、ミゾを埋める枠割りをするだけです。
極端に言えばしわの部分に内側からみみず腫れを作ってしわを相殺しようという考え方です。お化粧をするとしわに入り込んで目立つ方、深いしわを浅くした方には打ってつけです。
皮膚に弾力性がなくなると皮膚のすぐ下にある表情筋の作用によってしわが強調されます。そこで表情筋の働きを弱め、しわのできるような表情を作れないようにする治療がBOTOX 注射です。もともと顔面のけいれんの治療に使用されていたお薬ですが、筋肉に来る運動神経刺激の伝達を妨げ筋肉を麻痺させる作用があります。
眉間のしわなどに効果的ですが持続は3〜4ヶ月ほどです。また、眉間の場合は瞼が下がってしまう副作用が出ることもあります。
4.BOTOXを用いた小顔
前項で書きましたようにBOTOXは筋肉を麻痺させますので、その状態が持続すれば筋肉が萎縮してしまうことがあります。萎縮すれば筋力も低下し、しわの治療とすれば効果的ではあります。
この萎縮作用を応用して顔を小さくする治療が行われます。ほほに手を当てた状態で奥歯をかみしめてください。ふくれてくる筋肉が触れますね。これは咬筋といって下顎を動かすための筋肉の一つです。人間の顔を前から見てえらが張っていると感じる方はこの筋肉が肥大している場合もあります。横から見た場合は咬筋ではなく、下顎の角の骨そのものが発達している場合です。ですから、正面視で小顔を再現する場合はこの咬筋にBOTOXを注射して筋肉を萎縮させるという方法もとられます。
もともと下顎角を削る「えら削り」の手術の時、同時に咬筋の減量を行うこともあったのですが、BOTOXの注射のみでもかなりの減量が可能です。咬む筋肉ではありますが、咬む機能にはほとんど影響はありません。意識的に咬む練習を続けなければ咬筋は元には戻らないと言われています。
5.フォトフェイシャルのシミ取り
しみというのは老化の一症状です。メラニン色素が多く皮下に沈着した状態ですが、皮膚を傷つけることなく中のメラニンのみを破壊する方法はレーザーまたはフォトフェイシャルと言うことになります。レーザーの場合は10日間ほど黒いかさぶたが出来ますのでフォトフェイシャルの方がより気軽です。もちろんその分効果も少ないと言わざるを得ません。
しかし、顔全体のシミやそばかすを徐々に安全に薄くしてゆくには最適な方法です。
6.サーマクールによるタルミ取り
高周波(RF)を用いたシワやタルミを取る方法です。
手術でタルミを取る場合はフェイスリフトと言う方法を用いますが、この方法は多少に期間外には出られません。この装置を用いると約3ヶ月は徐々にリフトしてゆき2年くらいは効果が持続すると言われています。2年すれば元の木阿弥になるわけではなく正常に肌も年齢を重ねて行くようになるという訳です。