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形成外科

主な治療内容

ニキビ
    1.性ホルモンのバランスが崩れ男性ホルモン優位となって皮脂の分泌が増えること
     (思春期や生理前)
    2.角質が厚くなり皮脂腺開口部がふさがれること
     (皮膚の新陳代謝の遅れ)
などによって、アクネ桿菌が増殖し、面皰を作ることで始まります。面皰には開放面皰(黒ニキビ)と閉鎖面皰(白ニキビ)がありますが、どちらも膿を持つ膿皰の前段階です。さらにアクネ桿菌や表皮ブドウ球菌などが増殖すると、赤く炎症の強い膿を持った膿皰と変化します。さらにこの状態が慢性化すると、アクネ桿菌の作用で生じる過酸化脂質によって傷跡のような凹凸や色素沈着のニキビ跡へと移行します。

ニキビは皮膚の問題とは別にストレス、生活習慣などが大変大きく関与しており、この問題の解決なしには治療は難しいのが現状です。しかし、仕事を辞めるわけにもいかず、夜遊びもやめられませんので、皮膚そのものの治療を中心に考えてみます。

ニキビ治療の基本はやはり洗顔でしょう。皮脂の分泌過剰が原因となるわけですので、余分な皮脂はある程度取り除いてやる必要があります。また、アクネ桿菌の活動を押さえるような塗り薬なども有効です。しかし、洗顔を続けても、塗り薬をいくら塗ってもなかなか引かない頑固なニキビはやはり存在します。
このような治療の他に民間療法を含め、世の中には星の数ほどの治療法はあります。このことは、どれかが最も優れていると言うわけではなく、どれもそこそこにしか効かないということにはならないでしょうか。どれかの治療が自分にぴったり合えば効くということでしょうか。
洗顔、抗生物質、抗菌剤の外用、漢方、ビタミンの内服は言うまでもありませんが、われわれは、これらの治療に加え、ケミカルピーリングを用い、効果を上げています。ケミカルピーリングは余分な皮脂や厚く堆積した角質を優しく取り除き、基底細胞の活動を活性化し、皮膚の新陳代謝を促進させます。これにより、皮脂腺開口部は開き、角質の肥厚は解消されます。また、用いるグリコール酸は強力な殺菌作用を有し、アクネ桿菌の働きを封じます。

もちろん、一旦良くなってもホルモンバランス自体には変化はないわけですので、日常のスキンケアをしっかり続けないとニキビは再発してきます。

話題の光治療(フォトフェイシャルアクネス、クリアタッチ等 )  については検証中です。結果が出ましたら報告致します。


ニキビ跡
まずは、ニキビを適切に治療し、ニキビ跡にしないことが大切ですが、出来てしまったものはしかたがありません。結論から言うと、ニキビ跡の治療は大変難しいと言わざるを得ません。いろいろな治療が存在しますが、まったく元通りの肌に戻すことは不可能です。ですが、そこまではいかなくとも、少しでも良くする治療はあると思います。

    1.ケミカルピーリング
    2.クリスタルピーリング
    3.サリチル酸ピーリング
    4.フォトフェイシャル
    5.レーザー治療
    6.レーザーアブレージョン
    7.手術によるアブレージョン
    8.フラクセルレーザー

以上のようなものが考えられます。いずれの治療も凹凸をなめらかにしようというねらいの治療です。1,3,4は色素沈着の解消も期待出来ます。

8.フラクセルは最新のレーザーですが、今まで効果が期待できなかったニキビ跡に対しても明らかな有効性を認める優れた方法です。


ほくろ
ほくろは見栄えの問題で切除を希望される方が多いのですが、中には多少問題のあるほくろも含まれることがあります。ほくろである限りは良性ですが、中には悪性のものや前癌状態のものもありますので、注意が必要です。自分で取るなどはもっての他で、まずは、医師の診察を受け、適切に処置を受ける必要があるでしょう。

黒子は皮膚表面より下に本体(根)があるため、多少えぐり取る形で取る必要があります。ほくろを取る方法には

    1.切除縫縮法
      金属メスを使用して切り取り、縫合する方法。
    2.くりぬき法
      金属メスまたはレーザーメスを使用して切り取り、そのままで治す方法。

1は最後に縫ってしまいますので、どれだけ深くまで根があっても完全に除去出来ますので基本的に再発はありません。また、手術跡が一本の線になりますので、きれいな仕上がりが期待出来ますが、約1週間は糸のついた状態となります。(洗顔などは可能です)
2は自分の力で傷跡を治す方式ですので、腫瘍が深い場合には、水疱瘡の跡のように多少凹んで治ってしまうことがあります。レーザーメスの場合は特に奥の方や周辺にほくろの細胞が残りやすく、再発することもあります。


脂肪のかたまり
俗にそう呼ばれますが、いくつかのものが考えられます。一番多いのが粉瘤というものです。これは皮膚の中に袋ができ、その中にかすのようなものが貯まって、徐々に大きくなるものです。体中どこにでも出来ます。何も症状のない時期は皮下でころころとした良く動く腫瘤を触知するのみですが、感染すると赤みが出て、痛みも伴います。そのまま放っておくと破れて膿が出る場合もあります。手術はこのような感染した時期ではなく、皮下におとなしくしているときの方がより良い手術が出来ます。手術は皮下のカプセルと皮膚の一部を同時に切除します。

脂肪腫という本当の脂肪のかたまりで出来る腫瘍はもう少し柔らかですが、下床と癒着し、動きが悪い場合があります。直径10センチ以上の巨大なものもあります。この腫瘍の場合も周囲のカプセルごと切除する手術となります。


傷跡
瘢痕(傷跡)、瘢痕拘縮(ひきつれ)などの修正です。次項に述べるケロイド程たちが悪くないですが、それでも幅の広い傷跡や目立つ傷跡、機能的に支障を来す(ひきつれ)ものは治療に対象です。最もきれいな方法は瘢痕切除です。汚い傷の部分を注意深く切り取り、丁寧に再度縫い合わせてゆく方法です。しかし、場所によってはシンプルに縫合するより、複雑なZ形成術、W形成術などのテクニックを用いる方が良い場合もあります。頭の傷跡で脱毛(はげ)を起こしている場合なども同じように縫い合わせたり、W形成術を用いたりして、なるべく脱毛部分を少なくして、かつ目立たないようにすることが可能です。


ケロイド
普通の傷跡とケロイドはまったく違います。写真のように赤く盛り上がって痛み、かゆみを伴い元の傷跡の範囲を超えて大きくなるものを指します。人種、体質、ホルモン等によって起こると言われていますが、詳細は不明です。傷が治るとき、コラーゲンの生成が過剰で、正常以上に盛り上がってしまう現象です。

治療は通常保存的治療から開始します。圧迫、シリコンシート、ステロイドの貼り薬、注射、内服薬などです。不用意な手術はかえってケロイドを大きくしてしまうことがありますので、手術が必要な時は形成外科の専門医師にご相談下さい。


巻き爪
陥入爪と言います。ネイルケアが悪かったり、過剰に爪に負担のかかる靴の影響などで、爪が皮膚に食い込んで痛んだり、場合によっては化膿したりします。ネイルケアが最も大切です。爪切りの時にはきちんと爪の端までスムースの手入れします。また、お風呂では歯ブラシなどで爪と皮膚の間の溝をよく掃除し清潔に保ちます。しかし、爪床という爪の奥の組織まで曲がってしまい、適切な爪切りをしても治癒しない場合は手術が必要です。爪と爪床、爪母部を一部切除し、まっすぐな爪が生えてくるように矯正します。


入れ墨
近年、若い方を中心にtatoo人気が高まり、ファッションで入れ墨を入れるようになってきました。入れ墨とは字のごとく、皮下に墨、色素を入れ、様々な模様、文字を点描してゆく方法です。日本では元来、決して取れないことから犯罪者の識別や渡世者の決意の表明に使用されていました。時は流れて現在、入れ墨はファッションとして定着し、若い女性が入れていたとしてもそんなに変な目で見られることも少なくなってきました。しかし、入れ墨というものは基本的に取れないものという意識が少なく、将来を深く考えずに入れてしまう人も後を絶ちません。また、アートメークという眉に入れる入れ墨も流行っていますが、これも入れ墨であることに変わりはありません。入れ墨を消す方法は大きく2種類あります。一つはレーザー治療でもう一つは手術療法です。皮膚に傷を付けずに治療可能なレーザーは理想的な治療に思えますが、実際のところは多少不具合もあります。レーザー照射1回で取れるくらい浅い入れ墨であれば良いのですが、深かったり、レーザーの反応しない色だったりする場合は、相当な回数と期間がかかることを覚悟しなければなりません。1回で少しでも薄くなれば良いと思うでしょうが、本当に入れ墨を消したい人にとっては薄い入れ墨も濃い入れ墨もあることに変わりはなく、完全に取れてしまうまでは治療効果は「精神的に」ないということになります。大きさ、深さにもよりますが、数年の治療期間と入れ墨を入れたときの費用も痛みも10倍程度は覚悟しなければいけないでしょう。治療は同一部位の照射は2〜3ヶ月に一度となります。

手術療法にもいくつかの方法があります。最も仕上がりのきれいな方法は縫縮法(縫い縮める)ですが、大きさ、場所によっては不可能な場合、数回に分けて行わなくてはならない場合があります。もちろんその場合でも1本の傷跡は残る訳ですが、入れ墨よりはましでしょう。もう一つは皮膚移植の方法です。入れ墨の面積が広い場合や手術跡が多少汚くても、とにかく入れ墨を消したい、一回で手術を終えたい場合などに用いることがあります。この方法は入れ墨を削り取って、皮膚を失った部分に他の場所から皮膚を取ってきて移植をするというものです。あまりに広い面積でないかぎり一回で入れ墨を取り去ることも可能ですが、一方仕上がりは火傷の跡のようになり、整容的にはあまりきれいとは言えません。また、皮膚を取った部分の傷も覚悟しなければなりません。もう一つエクスパンダー法という方法もないわけではありません。皮下に風船を入れて徐々に正常の皮膚を伸展させ、十分なところで一気に入れ墨を切除し、伸展した皮膚で覆ってしまう方法です。この場合、あまり実用的な方法ではないでしょう。

入れ墨は基本的には消えないということをよく理解して楽しんで下さい。もし、将来は消したいと思うならtattooのシールがあります。十分考えて自分の責任で入れてください。


外傷
小学校などでけがをしてクリニックにつれてこられるケースが増えています。以前は外科や整形外科など、どこに行って良いかわからないという方も多かったのですが、最近は形成外科が徐々に認知され、皮膚表面の損傷(やけどを含む)をきれいに治すには形成外科という認識が生まれてきました。もちろん、形成外科そのものが、まだ少なく、けがをした近くにクリニックがない場合もありますので、そういった場合の処置について考えましょう。
けがをした場合、どの科にかかるかというのはとっさには思いつかないかもしれませんので、以下を参考にしてください。

切り傷、擦り傷、やけど、爪の損傷、まぶたの損傷、くちびるの損傷、顔の骨の骨折など・形成外科
頭部打撲など頭の内部にかかわる損傷・脳外科
打ち身、捻挫、骨折、腱の損傷、ぎっくり腰など・整形外科
皮膚のかぶれ、湿疹など・皮膚科

もちろん、切り傷でも多量の出血を伴うものや切断肢など、傷より優先順位が異なる場合は当然救急医療の可能な病院や手術設備の整った病院でなければなりません。形成外科のある救急病院だともっと安心です。

また、休日などで形成外科が休診の場合はどうしたら良いでしょう。
殆どの場合、急患センターなどが窓口となります。そこでの治療は応急的なものですので、翌日には専門のクリニックにおかかりになって、その後の治療をして頂きましょう。一昔前は外科などの先生が縫った傷は大ざっぱで汚い傷になるなどと言われていましたが、最近は医学教育も進歩し、みなさん丁寧な縫合をされます。従ってよほどのことがない限り、翌日縫い直すようなことはありません。安心して急患センターで治療をお受けになって下さい。